ひさゆき耳鼻咽喉科です!今回は代表的な漢方薬の一つを紹介します。
漢方薬には、名前がよく似ていて混同しやすい処方がいくつかあります。今回ご紹介する「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」と「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」も、その代表的な組み合わせです。どちらも「竜骨」「牡蛎」という、心を落ち着ける生薬を含んでいますが、体力や体質による向き不向きが異なります。
この処方の特徴
柴胡加竜骨牡蛎湯は、比較的体力があり、動悸や不眠、いらだちといった精神症状がある方に向けて、自律神経の乱れを整えながら気持ちの高ぶりを鎮める処方です。
桂枝加竜骨牡蛎湯は、体のバランスを整える桂枝湯をベースに竜骨・牡蛎を加えたもので、体力があまりない方向けに、気や血を補いながら神経の高ぶりを穏やかに鎮めていく働きがあります。
代表的な適応疾患
柴胡加竜骨牡蛎湯は、体力中等度以上で精神不安があり、動悸・不眠・便秘などを伴う方の高血圧症、動脈硬化症、神経衰弱症、神経性心悸亢進症、更年期神経症、小児夜啼症などに用いられます。
桂枝加竜骨牡蛎湯は、神経衰弱、小児夜尿症、性的神経衰弱、不眠症、神経質といった症状に用いられる処方です。
応用例
柴胡加竜骨牡蛎湯は、高血圧に伴う動悸や不安、更年期にみられる不安・不眠、小児の夜泣きなど、比較的体力のある方の緊張や興奮を伴う症状に応用されることがあります。
桂枝加竜骨牡蛎湯は、眠りが浅い、夢を見やすい、疲れやすいといった、体力があまりない方の不眠や神経質な状態、また小児の夜泣き・夜尿症などに応用されることがあります。
どちらの処方も特に特徴的な夢をよく見る方に有効であることが多いとされ、夢見の多さや寝つきの浅さが気になる方に向いている薬としても知られています。
代表的な副作用
いずれの処方にも甘草が含まれており、代表的な副作用として、むくみや血圧上昇、脱力感などがみられる偽アルドステロン症と、発疹やかゆみなどのアレルギー症状が知られています。
ただし、これらの症状はすべての方に生じるわけではありません。体質や症状の程度、そして薬を使う必要性とのバランスを見ながら、医師が判断して使用する漢方薬です。似た名前の二つですが、体力や体質によって向き不向きがありますので、気になる症状がある方は、ご自身の体質に合った漢方薬について相談してみるとよいかもしれません。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療に代わるものではありません。