ひさゆき耳鼻咽喉科です!今回は代表的な病気を紹介します。

「のどの奥に何か引っかかっている気がする」「首を動かすと耳の下が痛い」——そんな症状が続くとき、原因のひとつとして考えられるのが「茎状突起過長症(けいじょうとっきかちょうしょう)」です。あまり聞き慣れない病名かもしれませんが、耳鼻咽喉科ではときどき出会う疾患です。今日は、この病気について分かりやすくまとめてみたいと思います。

どんな病気か

耳のすぐ下あたりには、頭蓋骨から細く伸びる「茎状突起」という小さな骨があります。この骨が通常より長く伸びてしまったり、骨と靭帯の間が石灰化して硬くなったりすることで、まわりの神経や血管を刺激してしまう状態が「茎状突起過長症」です。1937年に米国の医師イーグルが初めて報告したことから、イーグル症候群とも呼ばれています。

茎状突起は普通、2.5cmまでを正常と考えられていますが、2.5cmを超えるものは約4%ほどあり、さらに症状を伴うものはその4%程度とされています。つまり、骨が長めの方は意外といらっしゃるものの、実際に症状として困る方はそう多くないということですね。

主な症状

症状は片側だけに出ることもあれば、両側に出ることもあります。代表的なものとしては、嚥下時の痛みや、耳へ放散する疼痛、咽頭部の異物感、圧迫感、食物の咽頭部停滞感などが挙げられます。

また、茎状突起‐頸動脈症候群では、顔面痛や頭痛、ときに肩こりなども含まれることがあります。症状が多彩なため、他の疾患や心因性のものと誤診されることも少なくないとされており、なかなか原因にたどり着きにくい病気のひとつともいえそうです。

「のどの違和感が長く続く」「原因不明の耳の痛みや首の痛みがある」というときは、一度こうした病気の可能性も含めて調べてみると安心かもしれません。

治療法

診断には、問診や身体検査に加えて、茎状突起を視覚化するためのX線やCTスキャンなどの画像検査が用いられます。特に3D-CTでの評価は、突起の長さや向きを立体的に確認できるため有用とされています。

治療は症状の程度によって段階的に考えられます。軽い症状の場合は、痛み止めなどの薬で様子をみることがあります。それでも改善しない場合には、神経ブロックやステロイド注射を行うこともあります。

そして、強い症状が続く場合には、根本的な治療として茎状突起の切除手術を行います。手術には口の中から行う方法と、首の皮膚を切開する方法があり、症状や状態によって選択されます。多くの場合、外科的介入によって症状の著しい緩和が得られると報告されていますが、継続的な経過観察が必要になることもあります。

 

原因不明ののどの違和感や、あごから耳にかけての痛みが長引くときは、我慢せずに耳鼻咽喉科を受診してみてください。CT検査などで比較的はっきりと診断がつくことが多い病気ですので、気になる症状が続くときは一度ご相談いただくと安心ではないでしょうか。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療に代わるものではありません。

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